logo

オーラルヒストリーとは お知らせ 「戦中・戦後を中国で生きた日本人」について インタビューリスト 関連資料

インタビューリスト



 今回も北京で数名の同学が集まり歓迎宴を開いてくれた。昔の悪童振りが髣髴とする者、目立たなかったが一流の学者になった者、様々であるがそれぞれ活躍している。残念なのは出席できなかった同学たち。そこに寄る年波を感ずる。60年来の交流、私たちの絆はいっそう強くなったように思う。

 56年前、日本に帰国したとき先ず驚いたのは環境と考え方の違い。大の大人が昼間からパチンコを楽しんでいる。これが思想・行動の自由なのか。編入試験を受け、高校2年生からやり直し。人民服での登校は随分目立ったようだ。最も苦しんだのは英語、勉強時間の半分を費やしたが付いていくのがやっと。逆に数学と理科は楽なもの。優等生で卒業した。然るべき大学を受験したが見事不合格。一心発起、上京して大学図書館に臨時職員の職を得、同大学工学部に入学した。昼間勉強し、夜働く、理想の環境に恵まれた。

 大学卒業後、2つの会社の技術研究所で研究・開発業務に従事し、新製品を世に送り出した。専門はメカトロニクス(電子と機械の境界技術)で、センサーと制御(時計、工作機械、ロボットなど)。55歳と60歳と2度の定年。余熱を燃やしていたがリストラの波で有無を言わせずクビ。60歳過ぎでは、どこの会社も面接すらしてくれない。意を決して中国での活躍に方向転換。友人のつてで清華大学に活動の場を得た(JODC、技術指導、通産省補助)、処遇は1級技術者で現役時代よりも高給で足掛け2年勤務。最大の収穫は人脈が広くなったことで今も恩恵を被っている。

 1997年帰国後、すぐ科学技術者フォーラム(シニア技術者集団)に参加し、活動中。

 近況報告と最近の活動と今後の展開: 
  1. 中国の現状認識と活動
    (1)最大の課題は「沿岸地区と内陸部との経済格差」の是正にある→和諧社会の実現
    具体的な課題:
    1. 三農問題 ⇒北京延慶県プロジェクト(防沙林と果樹品種改良)、8年間活動中
    2. 西部大開発 ⇒青海大学研究支援(冬虫夏草の人工培養)、5年間活動中
    3. 東北振興改革 ⇒龍騰プロジェクト(日中人材・貿易交流)、1年間活動中
    (2)日中友好交流の変遷:_好交流→経済・技術交流→文化交流(人と人の交流)。

  2. 龍騰プロジェクトの立ち上げ
    目的:人材活用と貿易促進。当面、東北老工業基地の設備更新と産業振興を支援。
    活動:人を通したノウハウの移転と技術支援および相互貿易の活性化
    戦略:大連からハルピンへ北上する北進策(大連経済区⇒自動車⇒航空機、精密加工)。

  3. 今後の展開
    (1)北京延慶県プロジェクト:(財)イオン環境財団の助成事業。本年より3年間活動予定。
    キーワード:「更なる発展」。
    内容:(1)防沙林の構築(2)リンゴ品種の改良。
    目標:北京が砂に埋没するのを防ぐ防風固沙林の構築(中日友好生態モデル村の建設)。

    (2)大連花園口経済区:中国技協節能(省エネ)建築技術工作委員会の外事顧問に就任。
    規模:35平方km。深セン経済開発区から数えて5番目の国家プロジェクト。着手したばかり。
    環渤海経済圏、日韓経済圏と東北アジア経済圏の真っ只中に在る。
    内容:(1)省エネ工業区(2)学校・トレーニングセンター(3)介護付き老人ホームなど。

    (3)龍騰プロジェクト:人材の斡旋・紹介および貿易交流の促進。
    対象分野:(1)環境・省エネ(2)トレーニング教師(3)病院・老人ホームの管理技術など。
    課題:(1)専門家の日当と(2)中国研修生の受け入れ体制。

    (4)連雲港開発区の支援(清華大学日中民間交流研究所の案件):
    内容:(1)重化学工業(石油プラント、プラスチックス)(2)新材料の開発(建築材など)。
    事跡:天水―蘭州線は龍海線(連雲港からウルムチ経由、オランダのロッテルダムに通ずる
    1万数千キロの新ランドブリッジ)の一部で現役で活躍中(天水会先輩たちの結晶の鉄路)。

    (5)課題:資金と後継者(日本人ベテラン1名、中国人若手2名と体制を固めつつある)。
皆様のご協力・ご支援とご鞭撻をお願いいたします。
以上
文字サイズ
文字サイズはこちらでも変えられます


お知らせ | プライバシーポリシー | お問い合わせ



Copyright (C) 2007-2009 OralHistoryProject Ltd, All Rights Reserved.